バカドリル
自分が大切に思っている人(例えば愛人例えば友人例えば家族)が一人死ぬ。
自分には関係ない人が一万人死ぬ。
。
。
どちらか選べと言うならば。
。
。
僕は間違なく後者だ。
悲しむ人の多さを考えれば、被害の大きさを考えれば、前者が圧倒的に少ないが…
そんなことは関係ない。
。
恐らく、僕以外のほとんどの人も、後者を選ぶだろう。
いや、悩む素振りはみせるかもしれない。でも心の中では決まっているはず。
。
要は他人事。
つまりはそういうこと。
。
。
。
。
薬害肝炎訴訟で、補償をする人を限定するとの和解案。
まぁ、そんなところだろうよ。と僕は思った。
被害者がいくら命の重さについて語ったところで、所詮、奴等にとっては他人事でしかない。
つまりはそういうこと。
。
。
。
。
。
。
。
ある日。
本屋で平置きにされていたバカドリルなる本を発見。
立ち読んでみた。くだらな過ぎて笑えた本だった。
そしてバカドリルのすぐ隣りに置いてあった本。
タイトルは覚えていないが、障害者の子どもが頑張ってますよー、みたいな本。
パラパラと立ち読んでみたものの、感動的で泣けるみたいな内容だった。
ていうか、こんな対照的な本を並べて平置く、店の壊滅的センスに無意味に感動した。
。
。
…。
。
もしどっちか買え。と言われたら、僕はバカドリルを買うのかもしれない。
僕は障害や病気で苦しんでいる人の葛藤を描く、本やドラマや24時間テレビが嫌いなんだ。
なんかあんまり頑張っていない自分を、責められているような気がして。
。
そして、究極的には『関係ない』とどこかで思ってしまう。
。
。
そんなとき、
ああ…自分もやっぱり、薬害肝炎の被害者を救おうとしない、下種な国の連中と同じ穴のムジナなんだなぁ…
と思った。


