2007年2月23日(金曜日)

滝沢

 新宿と池袋に「滝沢」という喫茶店があった。

 なんせコーヒー一杯が1000円した。(二杯目からは少し安くなったけど)
普通の人が気軽に入れるような店ではないと俺は思っていた。
 土地代の高い地域特有の料金設定である。

 俺はそこでまったりするのが夢だった。滝沢で気兼ねなくリラックスする。
いつかはそんな身分になりたい。そんなチッポケな夢を見ていた。

 当時、売れている作家やライターさんは皆、打ち合わせに滝沢を使っていた。
 っつーのは俺の妄想で本当は違うんだろうけど、とにかく俺にとって
「滝沢で打ち合わせ」なんてあり得ない話しだったんです。
 なんせ、俺が長年やってきた雑誌は貧乏だったからね。そんなカネすら無かったんです。
 俺が滝沢におかしな憧れを抱くのも無理もない話し。

 実際、俺が打ち合わせで滝沢を使ったのは数えるほど。
 ぶっちゃけた話し3回しかない。
 TVチャンピオンで優勝した後、竹書房の漫画の打ち合わせで3回行っただけ。
 滝沢は、俺にとって憧れの存在であった。

 この間、ヒロシ・ヤング氏(とその他大勢)と新宿で飲んでいた時の事だ。
 ヤング氏が、 
 「新宿の滝沢、ツブれちゃったんだよねー。」
 とおっしゃるではないか。しかもけっこう前にツブれちゃったという。
 にゃるほど。言われてみて気がついた。どおりで最近打ち合わせで使わなく
なった訳だ。なんかちょっと切なくなった俺、
 「あー、一度滝沢でまったりしたかったなあ」
 みたいな事をヤング氏に言うと、
 「あ、俺はよく行ってたよ」
 「打ち合わせで、ですよね?」
 「いや、プラベートでも良く読書しに行ってた」
 ヤング氏に言わせれば、みどりっぽい感じが好きだったそうだ。なんかわかる。

 ってか凄い。ヤング氏には「心のゆとり」があると思った。
 高い店に仕事で行くのと、シュミで行くのとでは大きく違う。 
 パチンコで掴んだ小金を持っていても、「心のゆとり」がなくてなかなか
その行動に踏み切れなかった俺。
 行くカネはあるし、行きたいとも思っているのに、行けないみたいな。
 心のゆとりが無かったんだね、俺。
 
 仕事でもプライベートでも憧れのままなくなってしまった滝沢。
 池袋にあったという事実すらヤング氏に聞いて知った俺だから、池袋の方
がどうなったのかはまったく知らないけど、なんかちょっぴり切ない。
 色々なイミで悔しかった。

 これからはもっと心にゆとりを持って生きていきたいと思う。
 
 

 
 


日記

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